タバココナジラミ
カメムシ目 コナジラミ科
Bemisia tabaci (Gennadius) Sweetpotato whitefly
【加害作物】ナス科、ウリ科をはじめとする広範な作物(施設)
日本にもともと生息していたが、だいずなどで、ごくたまに発生がある程度であった。しかし1989年、薬剤抵抗性を身につけ、加害作物範囲も広い、新系統が海外から侵入した。これは、シルバーリーフコナジラミと命名され別種扱いされてきた。
現在ではバイオタイプBと呼ばれている(以下、B)。そして近年、さらに強い抵抗性を身につけ、作物の嗜好もBと若干異なる、新系統バイオタイプQ(以下、Q)が侵入した。研究の結果、現在BとQは在来種と同じ種として扱われている。これらは外観からは全く区別が付かない。
被害にはオンシツコナジラミと同様、吸汁害やすす病の誘発があるが、Bは葉の白化や果実の着色異常を、BとQはウイルス病の媒介も行う。特にトマト黄化葉巻病ウイルスの伝播は重大な問題となり、現在拡大が深刻化している。また、Qは有効な農薬が少ないので、発生したら徹底防除が必要である。それ以前に「入れない・出さない」という、地域ぐるみの協力体制がないと、抑え込むことは不可能である。
*本説明内容は2018年9月時のものです
防除に効果的な農薬
●ベリマーク®SC

大事な育苗期にこの1剤で、
幅広い重要害虫を速やかに防除。
長い残効で、作物をしっかり守ります。
トマトタバココナジラミ(成虫)に対する防除効果

2017年 デュポン・プロダクション・アグリサイエンス(株)
【試験概要】◎対象作物:トマト(品種:ハウス桃太郎)◎処理方法:4.5号プラスチックポットへ定植時同時処理(処理1時間後100㎖灌水)◎処理量:400倍希釈液を1ポット25㎖灌注◎放虫方法:タバココナジラミ成虫400頭程度をケージ(横2面は網)に処理ポット株元から株上部のみ出る様に、板に切り込みを入れ、設置。設置後、網の切込みから虫を投入。◎処理日:12月19日◎調査方法:25℃室温、16L8Dで管理。処理1日後、2日後、3日後および4日後に死亡虫を計数。処理7日後に死亡虫および産卵数を計数。
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ミニトマトタバココナジラミ(バイオタイプB)への効果


2021年 日本曹達株式会社 小田原研究所
【試験概要】 ◎品種:レジナ ◎区制:3連制 ◎処理日:2月17日 ◎処理方法:9cmビニールポットで育苗した苗に対し、ベリマーク®SC400倍希釈液を1株あたり25㎖灌注処理、もしくはA粒剤を1株当り2g、株元散布処理。A粒剤を処理した苗には処理後に25㎖の水道水を灌水、1時間後に各苗を5号鉢へ定植しさらに50㎖の水道水を灌水。定植2時間後に最上位展開葉にビニル袋を被せ、タバココナジラミ約10ペア放虫。以降毎日50㎖の水道水を灌水。 ◎調査方法:経時的に袋の外から生存虫数(正常に葉裏に定位している個体)を計数し、5日後に袋を外し生存虫数を計数。
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トマトタバココナジラミ(バイオタイプQ)への効果


2013年(一社)日本植物防疫協会 宮崎試験場
【試験概要】 ◎品種:桃太郎ファイト ◎区制:1区 14株 3反復 ◎発生程度:少→多発生 ◎播種日:4月19日 ◎定植日:5月31日 ◎処理日:5月28日(定植3日前) ◎処理方法:ベリマーク®SCは800倍希釈液をポットあたり50㎖株元に灌注。対照A剤は株当たり2gを株元に散布。 ◎処理時の作物ステージ:育苗期(草丈30cm程度、本葉7~8枚) ◎調査日:定植14日後(6月14日)、21日後(6月21日)、28日後(6月28日) ◎調査方法:区内中央付近10株について株当たり2複葉(合計20複葉)に寄生する4齢幼虫および成虫を調査。
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●ベネビア®OD

1剤でコナジラミ類、アザミウマ類、
アブラムシ類、チョウ目害虫、
ハモグリバエに効果。
トマトタバココナジラミ バイオタイプQに対する防除効果

2009年 熊本県農業研究センター 生産環境研究所
【試験概要】◎品種:桃太郎8 ◎播種:2月2日 ◎区制:1区 7.5㎡ 10株 2反復 ◎定植:4月6日 ◎発生程度:中→多発生(放虫)◎処理日:5月15日 ◎処理方法:背負式動力噴霧器を用いて、300ℓ/10aを散布。◎調査方法:1区8株について、各株の上、中、下位から1複葉(3複葉/株)を選び、寄生する成虫数を計数。◎考察:本剤の防除効果は対照薬剤と比較し同等であり、無処理に対して高く、実用性は高いと考えられる。薬害は認められなかった。
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トマトトマト黄化葉巻病 発病株率

2014年 熊本県農業研究センター内ガラスハウス
【試験概要】◎品種:りんか409 ◎対象害虫:タバココナジラミ(バイオタイプQ)◎発生量:多発生(罹病株を設置)◎区制:1区6株(3複葉/株)3反復 ◎播種:2月27日 ◎定植:4月15日 ◎処理日:5月9日、5月16日、5月22日 計3回 ◎調査日:最終散布15日後 ◎調査方法:トマト黄化葉巻病(TYLCV)の発病株 数について全株調査した。
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きゅうりタバココナジラミ(孵化幼虫)に対する効果

2009年 クミアイ化学工業(株)生物科学研究所【試験概要】◎品種:相模半白 ◎産卵日:10月7日 ◎処理日:10月9日 ◎処理方法:きゅうり幼苗にタバココナジラミ成虫を放飼し、24時間産卵させた。成虫を取り除き、産卵後2日目に、所定濃度の浸漬し、風乾。試験は16L8D、25℃で行った。◎調査方法:処理後12日目に、死虫率(死幼虫+未孵化卵)、未孵化卵率、孵化後死虫率を算出。未孵化卵数には卵殻に付着して致死した個体を含めた。
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きゅうりタバココナジラミ(幼虫)に対する齢別殺虫活性

2010年 クミアイ化学工業(株)生物科学研究所【試験概要】◎供試作物:きゅうり(相模半白)◎処理日:1齢幼虫:8月17日、2齢幼虫:6月9日、3齢幼虫:6月9日 ◎試験方法:きゅうりリーフディスク浸漬法 ◎調査方法:処理後10日目に死虫率を算出。◎考察:ベネビア®ODは生育齢期が進んだ害虫に対しても安定した効果を示した。
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きゅうりタバココナジラミ(成虫)に対する殺成虫活性

2009年 クミアイ化学工業(株)生物科学研究所
【試験概要】◎供試作物:インゲン(リーフディスク)◎処理日:9月15日 ◎処理方法:リーフディスクに自動散布装置で薬液を散布。風乾した後、成虫10頭を雌雄の区別なく放し、蓋をして葉面を下に向けた。◎調査方法:処理後3日目に死虫率を算出。◎考察:ベネビア®ODはタバココナジラミの成虫に対して高い効果を示した。
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