ベリマーク®SC ユーザー証言ファイル
千葉県銚子市
向後裕章さん
ご両親と3人で営農するトマト農家3代目。大玉トマト(抑制栽培〈夏秋トマト〉45a、半促成栽培〈春トマト〉20a)のほか、メロン45a、だいこん 、中玉トマト、なすを作付。
アザミウマによる「白ぶくれ症状」がなくなり、
初期の出荷ロスが改善しました。
課題だった低段の出荷ロスを改善
JAちばみどりの「銚子施設園芸組合」に所属し、若手メンバーで構成するトマト研究会にも参加する向後さん。トマトづくりの課題は、抑制栽培における出荷ロスを減らすことなのだとか。
「夏場の高温による着果不良の対策として、石灰の遮光剤をハウス屋根部に塗布しています。3℃ぐらい室温が下がって多少は着果が改善しますが、出荷ロスの原因はそれだけではありません」と話す向後さん。
着果不良以上に向後さんを悩ませていたのは、トマト生育初期における低段のミカンキイロアザミウマによる果実被害。吸汁加害によって「白ぶくれ症状」が発生し、出荷できない果実が2割ほど出てしまうそうです。
「開花前から薬剤散布していたんですが、それでもミカンキイロアザミウマの発生が抑えられなくて困っていたんです」。
向後さんは一昨年から半促成栽培、抑制栽培にベリマーク®SCを選定され、定植前に灌注処理していらっしゃいます。導入効果はいかがだったのでしょうか。
「あれだけ困っていたミカンキイロアザミウマの白ぶくれ被害がなくなって、低段の出荷率・秀品率がグッとアップしました。以前のロスがなくなったので収益もアップしています」。
処理作業の省力化にも貢献
また、ベリマーク®SCは作業性の上でも、省力に貢献してくれている、と向後さんは頬をゆるめます。
「以前は定植時に粒剤の殺虫剤を植穴処理していたので、本圃を処理して歩き回る手間と時間がかかってひと苦労でした。ベリマーク®SCは苗の灌水作業の一環で加えるだけなので、すごくラクなんです」。
さらに、ベリマーク®SCで省力化できた時間は、栽培管理、定植、収穫など他の収益に直結する作業にまわすことができます。
体系処理試験でトマト黄化葉巻病を抑えた
その一方で、JAちばみどり銚子管内では数年前からタバココナジラミのウイルス媒介による「トマト黄化葉巻病」が増えつつあり、抜根しなければならない株が多数出るなど大きな被害が出始めているそうです。そこで、JAと千葉県が連携して昨年の抑制作型から実施しているのが、ベリマーク®SCとベネビア®ODの体系処理試験でした。定植前にベリマーク®SCを処理し、本圃での1回目防除としてベネビア®ODを散布して、初期のコナジラミ類やアザミウマ類を効果的に抑制する試験です。
JAちばみどり管内や他の県内各地での試験結果はいずれも良好で、トマト黄化葉巻病の発生が抑えられたという報告が集まっています。向後さんも今年の春作でこの試験を実施し、確かな手ごたえを実感されました。
「今年、銚子管内の生産者で100本抜いたとか、他の営農センター管内では3千本抜いたとか、トマト黄化葉巻病被害の話を耳にしますが、うちはベリマーク®SCと散布剤の試験をした結果、ほとんど被害がなく本当に助かりました」。
JAの直売所用になすも手がける向後さんは、なすの苗にもベリマーク®SCを使用。「希釈倍率も同じだし、トマトと同時期に処理できるから効率がいい」と使い勝手も評価してくださいました。
まずは現状の面積で出荷ロスをなくし、収益率を上げ、次のステップで規模拡大も目指したいと話す向後さん。周囲の期待に応え、きっとビジョンを実現してくれるはずです。
※コメントは取材当時の個人の感想です。
本内容は2021年10月取材時のものです。