ベネビア®ODユーザー証言ファイル
熊本県玉名市
JAたまな 中央集荷センタートマト部会 部会長
牧野哲夫さん
奥様と2人でトマト(かれんなど)45a、水稲30aを作付。118名で構成されるJAたまなのトマト部会をリードし、高品質で美味しいトマトを追求する

ハチへの影響日数が短いから使いやすい。
タバココナジラミへの長い残効で、
黄化葉巻病が減って、収量をしっかり確保。
収量が落ちて収入が下がる黄化葉巻病の対策が最重要
トマトの大産地JAたまな管内の栽培における目下の課題は、トマト黄化葉巻病、トマト黄化病あるいは高温下の影響等によるトマトの黄変果。その中でもコナジラミ類のウィルス媒介によるトマト黄化葉巻病の防除を最重視されています。まず基本対策として、玉名地域全体では『7月12日から1ヵ月間の休耕期間を設け、ハウス内のコナジラミの密度や保毒虫率を下げる』取り組みを実施。また、同JA中央集荷センタートマト部会では『ハウスの被覆を行ってからの定植実施によりコナジラミの飛び込みや飛び出しを防ぐ』ことを徹底していらっしゃるのだそうです。

同JA中央集荷センタートマト部会の牧野部会長に、トマト黄化葉巻病対策のご苦労についてお話を伺いました。
「黄化葉巻病は木を抜根してしまえば広がるのは抑えられますが、収量が下がってしまいます。収量が落ちると収入が下がりますから、この病気の対策としてはウイルスを媒介するタバココナジラミの害虫防除が最も重要なんです」と牧野さん。
タバココナジラミの密度を確実に下げる切り札。
オオタバコガなど幅広い害虫も抑えられて、混用する殺虫剤やコストが削減できる
牧野さんは、20日間の育苗期間を経て9月上旬から10月下旬にトマトを定植、12月上旬から6月下旬まで収穫。タバココナジラミの防除のため、定植前日にベリマーク®SCを育苗ポットに灌注処理し、定植後はローテーション防除の中でタバココナジラミの密度が高まる10月中旬に、ベネビア®ODを散布していらっしゃいます。
「どちらも重要害虫のタバココナジラミを長期間、確実に予防してくれます。特にベネビア®ODは、害虫の密度を下げたいときの最終手段。タバココナジラミの密度をぐっと下げて、10日から2週間ぐらいはしっかり残効がある。黄化葉巻病がずいぶん減ったおかげで、しっかりと収量を確保できるようになりました」。

また、「10月上旬からマルハナバチを放飼するんだけど、ベリマーク®SCは当日、ベネビア®ODも翌日から放飼できる。ハチへの影響が少ないというのはすごく助かります」と牧野さん。
さらに、「ベネビア®ODは、オオタバコガ対策にも効果が高いし、適用害虫の幅が広い。混用する殺虫剤の数が減って、ランニングコストが軽減できるようになったメリットも大きいです」とおっしゃいます。
害虫の筋肉に作用するので、トマトの吸汁・摂食がすぐに止まる
牧野さんの良き相談相手であり、管内生産者の手取り収入最大化をめざす同JA高位技術指導班の森川由浩さんも、ベネビア®ODについて高く評価されています。
「当JA管内では、3年前からタバココナジラミ対策の選択肢として化学農薬だけではなく、タバコカスミカメなどの天敵導入も試験をしています。ベネビア®ODはマルハナバチなどの訪花昆虫はもちろん、こうした天敵への影響日数も短いので指導しやすい薬剤です」。
また、「残効が7日以上と長いので、ふ化してきたばかりの吸汁害虫の幼虫をたたくことができるのもメリットですね。ベネビア®ODは、害虫の筋肉に作用して摂食行動をすばやく止めるタイプの有効成分なので、害虫が死に至るまでは2~3日かかりますが、トマトの吸汁・摂食はすぐに止まる。『散布してもすぐに死なない』という生産者の声を聞くこともありますが、こうした作用メカニズムをかみ砕いて伝えるようにしています」と森川さん。
また、ベネビア®ODの使用タイミングとして、「現在はハウス内のタバココナジラミの密度を下げたい11月あたりに1回散布を指導しています。今後はタバココナジラミの密度の立ち上がりを抑えるため、春先にもう1回ベネビア®ODを散布するよう指導していきたいと思っています」とおっしゃいます。
JAたまな 横島地区 班長兼高位技術指導班の森川由浩さんきめ細かな営農指導と、部会長、生産者との協力体制により「産地の高位平準化を図っていきたい」と森川さん。「部会の生産者一人ひとりが、納得のいくトマトづくりをするのが大事。いつもどのようにトマトに向き合っていくかの姿勢が問われていると思っています」とトマト部会をリードする牧野さん。産地の未来を見据えるお二人の強い想いは、美味しいトマトを通じて消費者のもとにしっかり届くに違いありません。
※コメントは取材当時の個人の感想です。
本内容は2022年12月取材時のものです。