ベリマーク®SC ユーザー証言ファイル
熊本県八代市
米山 由紀夫さん
JAやつしろ管内で代々続く専業農家。トマト60a(かれん)、水稲2haをご両親、奥様、従業員の方とともに
手がける。
JAやつしろ 営農部の営農指導係 上田 誠さん(左) と米山由紀夫さん(右)省力的な育苗期後半の鉢上げ後の処理で、
タバココナジラミによるウイルス媒介を
確実に抑制。
黄化葉巻病をしっかり予防できました。
以前は黄化葉巻病の被害で1日数十本、苗を抜根する日々も

タバココナジラミ (写真上)と黄化葉巻病の症状(写真下)日本一のトマト生産量を誇る熊本県を代表する産地、JAやつしろ管内。近年の課題は、タバココナジラミのウイルス媒介による黄化葉巻病の被害なのだとか。管内のトマト生産者 米山さんもその対策に手を焼いてきました。
米山さんは以前、黄化葉巻病の被害を受けて、1日数十本もの苗を抜根しなければならない日が続いたこともあるのだそうです。
「定植時期が8月下旬なのですが、この地域は台風が多く、強風でビニールが飛ばされてしまうので、ハウスにビニールを展帳するのは10月上旬になります。定植してから10月上旬までずっと露地状態なので、タバココナジラミがすぐに飛び込んでくるんです。定期的に防除していても、害虫の密度の方がすごいので、被害が止められませんでした」と、米山さんは以前の被害を振り返ります。
対策として、JAやつしろ管内全体では10年ほど前から、黄化葉巻病の耐病性大玉トマト品種の導入が始まり、徐々に拡大しました。しかし、ここ数年はまた病徴の発生が増えはじめ、特に今年は黄化葉巻病の被害が多かったのだとか。その背景について米山さんの良き相談相手であるJAやつしろ 営農部の営農指導係 上田 誠さんにもお話を伺いました。
「黄化葉巻病の耐病性品種が普及したことで、生産者の皆さんにも気のゆるみがあったのかも知れません。収穫シーズンを終えた後の蒸し込み処理やタバココナジラミの最終防除が不完全なまま、圃場の片づけをすることが多かったのではないでしょうか。それでタバココナジラミが屋外に飛び出して、ウイルスの保毒が伝播していったということが背景にあると推測しています」。
育苗期後半の鉢上げ後の処理で定植後3週間の残効。
タバココナジラミ防除をしっかり強化できる

米山さんは黄化葉巻病対策を徹底するために、5年ほど前からベリマーク®SCを採用。トマトの定植前日にベリマーク®SCを灌注処理し、定植時に粒剤の他殺虫剤を処理されてきました。
「定植後は露地状態にさらされるので、タバココナジラミにやられるリスクが高い。ベリマーク®SCは定植後も3週間ぐらいタバココナジラミに効果が続いて、黄化葉巻病の発生をしっかり抑えてくれていますね」。
米山さんの圃場では昨年の8月、全圃場の約4割の苗に対し、育苗期後半の鉢上げ後にベリマーク®SCを処理する試験を実施。JAやつしろの調査では、薬害の発生もなく、従来の定植前日処理と同等の、定植後3週間という長い防除効果が得られたのだそうです。
「早めにベリマーク®SCをやっておいた方が、育苗期後半から防除がしっかり強化されて、タバココナジラミによるウイルス感染が抑えられる。灌注処理なので成分が根からすばやく吸われて、トマト苗の生長点に効き続けているな、という実感がありますね。定植後もしっかり効いてたから、もしかしたら定植時に処理する殺虫剤の粒剤は、今後省けるかもしれません」。
JAやつしろ 南部購買センターベリマーク®SCの灌注処理は、トマト苗4500株に対し30分で完了。粒剤の半分以下の時間で処理できて、作業も大変省力的になったとおっしゃいます。
JAやつしろの上田さんも「米山さんにお願いしたベリマーク®SCの試験では、育苗期後半の鉢上げ後に処理してから定植後3週間までの合計5週間程度は防除効果が続いていたイメージです。従来の定植前日処理もいいのですが、省力化ニーズの高い生産者の皆さんに今後すすめていきたいタイミングですね。令和4年産のトマト防除暦から、べリマーク®SCの育苗期後半の鉢上げ後処理を、追記していく予定でいます」と解説してくださいました。
ハチに影響の少ないベネビア®ODも活用
また、「トマトの植物体にベリマーク®SCの成分を吸わせておいて、さらに地上では定期的に他殺虫剤を散布することで、タバココナジラミ防除には万全を期すことができると思います」とJAやつしろの上田さん。
米山さんの場合は、ベリマーク®SCを育苗期後半の鉢上げ後に使用後、ビニール展張をした後の10月中~下旬ごろに授粉用のマルハナバチを導入。その後、ローテーション防除の中で2~3回ベネビア®ODを散布していらっしゃいます。

「タバココナジラミに効果が高くて、ハチに影響の少ない薬剤って多くはないんですよ。ベネビア®ODは散布翌日にはマルハナバチを放飼できるので、ほんと助かります。ハモグリバエも同時に防除できるので、1石3鳥ですね」と笑顔の米山さん。
「今年はトマト苗1万2千株の全量にベリマーク®SCを灌注処理するつもり。ベネビア®ODとのコンビで、より確実な害虫防除ができると思ってます」とおっしゃいます。秀品収穫を見据えた米山さんの澄んだ目が印象的な取材でした。
※コメントは取材当時の個人の感想です。
本内容は2022年6月取材時のものです。