オンシツコナジラミ
カメムシ目 コナジラミ科
Trialeurodes vaporariorum (Westwood) Greenhouse whitefly
【加害作物】ナス科、ウリ科をはじめとする広範な作物(施設)
1974年に海外から侵入した。成虫は弱々しく飛ぶ1mm程の白いハエである。だが、沢山舞い飛ぶと、非常に不快である。幼虫は葉裏にへばりついて動かないため、微少な点のように見える。このためなかなか気が付かない。
形態は後述のタバココナジラミと非常に似ているが、本種成虫はとまっているとき羽を開き気味にするので、上の写真のように末広がりに見える。一方タバココナジラミは、羽を閉じ気味なので後述のとおり細長く見える。
成虫は大量に卵を産むものの、幼虫の生育期間は1ヶ月ほどと、比較的長い。このため、ある日突然のように大量の成虫が出現し、驚くことがある。多発すると排泄物によりすす病を発生させる。また、吸汁害により植物の生育を悪くする。
防除であるが、幼虫は葉裏に生息し移動しないため、散布むらのないようにすることが重要である。
*本説明内容は2018年9月時のものです
害虫防除のヒント
オンシツコナジラミの吸汁被害やすす病発生に要注意
オンシツコナジラミ被害の様子
主に葉裏に寄生して吸汁加害します。ナスやトマトなどのナス科作物やキュウリなどのウリ科作物を含む多くの作物に寄生します。施設栽培で発生することが多く、4~6月と10~12月に特によく見られます。吸汁被害以外に排出した甘露にすす病が発生して汚れてしまい、品質が低下することがあります。
発生の様子
1匹の雌成虫が最大で500粒ほどの卵を産卵するため大量の卵からふ化して、幼虫個体が一気に増加します。施設での発生が多いため、比較的低温条件下でも発生量が多いのが特徴です。冬を越えて気温が上がってくるとさらに増えていきます。
農薬、天敵による防除
農薬の利用については、おすすめの農薬がいくつかあるので、効果を確認して、栽培作物と適用害虫の発育ステージなどに合う農薬を用いる必要があります。
ベリマーク®SCは、育苗期後半~定植当日の灌注処理で素早く根から吸収され、速やかにアザミウマ類から生育初期の作物を守ります。
トマト・ミニトマトについては、「育苗期後半~定植当日の灌注処理、または、定植直後の株元灌注処理(根回し水/根じめ処理)」と「定植後 株元灌注処理(定植14日後まで)」で、計2回の使用が可能。コナジラミ類への対策をしっかり強化できます。
また、ベネビア®ODは、生育期の散布処理で葉のすみずみまで浸達し、コナジラミ類に対する高い効果を素早く発揮します。
プリロッソ®粒剤オメガは、育苗期後半~定植時の株元散布で、薬剤のかかりにくい葉裏に潜むコナジラミ類にも、高い効果を発揮します。
ベリマーク®SC、ベネビア®OD、プリロッソ®粒剤オメガは、いずれも天敵にやさしい農薬です。
また天敵利用については、オンシツコナジラミの幼虫を捕食するオンシツツヤコバチ、卵・幼虫を捕食するスワルスキーカブリダニが利用可能です。温度調整が重要で、日中オンシツツヤコバチは25℃前後、スワルスキーカブリダニは28℃が適温です。
防除に効果的な農薬
●ベリマーク®SC

大事な育苗期にこの1剤で、
幅広い重要害虫を速やかに防除。
長い残効で、作物をしっかり守ります。
トマトオンシツコナジラミに対する防除効果

2013年 神奈川県農業技術センター
【試験概要】◎品種:桃太郎はるか ◎区制:1区 10株 3連制 ◎発生程度:多発生(オンシツコナジラミのみ放虫) ◎播種:5月21日 ◎鉢上げ:6月5日(9cmポット) ◎定植:6月28日 ◎処理日:6月25日 ◎処理方法:対照C剤を2g/株を株元処理。またベリマーク®SC 800倍は50㎖/ポットを灌注。 ◎処理時の作物ステージ:育苗期後半 ◎調査日:定植31日後(7月29日)、35日後(8月2日) ◎調査方法:各区8株全葉について寄生老齢幼虫数と成虫数を調査。(3区平均)
詳しくはベリマーク®SC 製品ページへ
防除におすすめの製品
*各製品のリンク先で登録内容を確認してご使用ください