幅広い害虫の食害を速やかに停止。
長期間の害虫密度抑制で、作物をしっかり守ります。
2021年8月、台湾において、りんご、なしの残留農薬基準値が設定されました!
りんご、なしについては、米国、カナダ、EU、シンガポール、オーストラリア、UAEなどの諸外国でも、設定済みです。
茶についても、米国に続き台湾で、残留農薬基準値が設定されています。(2018年9月12日付)
【基本特性】
●有効成分サイアジピル®(一般名:シアントラニリプロール)を有効成分としたジアミド系の茶・かんきつ・果樹用の殺虫剤です。(IRAC作用機構グループ28)
● 幅広い殺虫スペクトラム(クロススペクトラム*)
広範囲な害虫に卓効を示します。(適用病害虫の詳細は、下記添付の適用内容をご覧ください)
茶:チャノミドリヒメヨコバイ 、チャノキイロアザミウマなどの吸汁性害虫、チャノコカクモンハマキ、チャハマキ、ヨモギエダシャクなどのチョウ目害虫
かんきつ:アザミウマ類、ケシキスイ類、コアオハナムグリ、ゴマダラカミキリ成虫、ハマキムシ類、ミカンキジラミ、ミカンハモグリガなど
果樹:シンクイムシ類、ハマキムシ類、ケムシ類、オウトウショウジョウバエなど
*広い範囲の害虫に有効な一方で、有用な天敵等に対し影響が小さい作用性をクロススペクトラムと定義しました。
●速やかな摂食行動阻害による作物保護
有効成分サイアジピル®の作用により害虫は筋収縮を起こすので、摂食行動が速やかに止まり、作物への被害を最小限にとどめることができます。(主に食毒で効果を発揮します)
●害虫の繁殖期を含む各ステージに対する効果
害虫の卵(産卵数の低下等)、各幼虫齢期および成虫(繁殖行動阻害)にも効果を示します。
●優れた浸透性と移行性および耐雨性
葉面浸透性と局所的な移行性を持つので害虫の食害部まで有効成分が到達し、より効果的な防除ができます。
【安全性】
●適用作物に対する高い安全性
適用作物に対して高い安全性が確認されています。これまでの委託試験では、薬害の事例はありません。
●天敵・訪花昆虫、周辺環境に対する高い安全性
天敵、訪花昆虫への安全性が高く、IPMプログラムに組み込むことが可能です。
エクシレル®SEは、吸汁性害虫やチョウ目害虫だけでなくハエ目 など広範囲の害虫への高い効果により、茶やかんきつ、りんご、おうとうなどの果樹について高品質で安定した作物作りをサポートします。
■適用害虫と使用方法(2024年6月12日現在)
作物名 | 適用病害虫名 | 希釈倍数 | 使用液量 | 使用時期 | 本剤の 使用回数 | 使用方法 | シアントラニリプロールを含む 農薬の総使用回数 |
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りんご | アブラムシ類 | 2500倍 | 200~700ℓ/10a | 収穫前日 まで | 3回 以内 | 散布 | 3回以内 |
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ハマキムシ類 シンクイムシ類 ヒメボクトウ キンモンホソガ ギンモンハモグリガ ケムシ類 ヨモギエダシャク オオタバコガ コガネムシ類 ヨトウムシ | 2500~ 5000倍 |
もも ネクタリン | ハマキムシ類 ケムシ類 コガネムシ類 | 5000倍 |
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モモハモグリガ シンクイムシ類 | 2500~ 5000倍 |
なし | ハマキムシ類 シンクイムシ類 ヒメボクトウ |
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ケムシ類 | 5000倍 |
アブラムシ類 | 2500倍 |
おうとう | ハマキムシ類 ケムシ類 オウトウショウジョウバエ アザミウマ類 コスカシバ コガネムシ類 |
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小粒核果類 (すももを 除く) | ケムシ類 | 2500~ 5000倍 |
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すもも | シンクイムシ類 ケムシ類 |
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ぶどう | ハスモンヨトウ |
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ケムシ類 アザミウマ類 コガネムシ類 クビアカスカシバ | 5000倍 |
かんきつ | アゲハ類 ケムシ類 ハマキムシ類 アザミウマ類 ミカンハモグリガ ミカンキジラミ ヨモギエダシャク ケシキスイ類 ゴマダラカミキリ成虫 チャノミドリヒメヨコバイ コアオハナムグリ ハスモンヨトウ カネタタキ ミカンナガタマムシ |
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かんきつ (苗木) | ミカンハモグリガ アゲハ類 ゴマダラカミキリ成虫 アブラムシ類 | 100倍 | 30~500㎖/樹 (但し、 130ℓ/10aまで) | 育苗期 |
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ブルーベリー | アブラムシ類 | 2500倍 | 200~700ℓ/10a | 収穫前日 まで |
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オウトウショウジョウバエ ケムシ類 | 5000倍 |
いちじく | アザミウマ類 | 2500倍 | 収穫14日 前まで | 2回 以内 | 2回以内 |
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マンゴー | 2000倍 | 収穫7日 前まで |
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茶 | ヨモギエダシャク チャハマキ チャノコカクモンハマキ チャノホソガ チャノミドリヒメヨコバイ チャノキイロアザミウマ マダラカサハラハムシ ハスモンヨトウ コミカンアブラムシ | 200~400ℓ/10a | 摘採7日 前まで | 1回 | 1回 |
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エクシレル®SE 適用内容(印刷用PDF)
エクシレル®SE 混用事例(印刷用PDF)
効果・薬害等の注意
●使用前によく振ってから使用してください。
●使用量に合わせ薬液を調製し、使いきってください。
●散布液調製後はできるだけ速やかに散布してください。
●アルカリ性の農薬や肥料との混用は、有効成分が分解するおそれがあるのでさけてください。これらの薬剤と混用する場合には、メーカーや販売店等に問い合わせるなどして、分解の有無を十分確認してから使用してください。
●やむを得ず、他の薬剤と混用する場合には、事前に薬害の有無を十分確認してから使用してください。
●使用液量は、対象作物の生育段階、栽培形態及び使用方法に合わせて調節してください。
●ぶどうへは、果粉溶脱及び薬斑を生じるおそれがあるので、袋かけ以降に使用してください。また、無袋栽培(傘掛けを含む)には使用しないでください。
●過度の連用をさけ、可能な限り作用性の異なる薬剤やその他の防除手段を組み合わせて使用してください。
●適用作物群に含まれる作物又はその新品種に本剤を初めて使用する場合は、使用者の責任において事前に薬害の有無を十分確認してから使用してください。なお、病害虫防除所等関係機関の指導を受けることが望ましいです。
●空容器はほ場などに放置せず、3回以上水洗し、環境に影響のないよう適切に処理してください。洗浄水はタンクに入れてください。
●本剤の使用に当っては、使用量、使用時期、使用方法を誤らないように注意し、特に初めて使用する場合は、病害虫防除所等関係機関の指導を受けることが望ましいです。
安全使用上の注意
●誤飲などのないよう注意してください。
●本剤は眼に対して刺激性があるので眼に入らないよう注意してください。眼に入った場合には直ちに水洗し、眼科医の手当を受けてください。
●本剤は皮膚に対して刺激性があるので皮膚に付着しないよう注意してください。付着した場合には直ちに石けんでよく洗い落としてください。
●散布の際は農薬用マスク、手袋、長ズボン・長袖の作業衣などを着用してください。作業後は直ちに手足、顔などを石けんでよく洗い、洗眼・うがいをするとともに衣服を交換してください。
●作業時に着用していた衣服等は他のものとは分けて洗濯してください。
●かぶれやすい体質の人は取扱いに十分注意してください。
●蚕に対して影響があるので、周辺の桑葉にはかからないようにしてください。
●ミツバチに対して影響を与えるおそれがあるので、散布の際はミツバチ及び巣箱にかからないようにしてください。また、散布直後から1日後まではミツバチを散布区域外に移動させるか、巣門を閉じてください。
●マメコバチに対して影響を与えるおそれがあるので、マメコバチの訪花期間中は散布しないでください。
●水産動植物(甲殻類)に影響を及ぼすおそれがあるので、河川、養殖池等に飛散、流入しないよう注意して使用してください。
●使用残りの薬液が生じないように調製を行い、使いきってください。散布器具及び容器の洗浄水は、河川等に流さないでください。また、空容器等は水産動植物に影響を与えないよう適切に処理してください。
●直射日光をさけ、なるべく低温な場所に密栓して保管してください。
●成分・性状
- 委託試験番号
- XI-0801SE
- 有効成分
- シアントラニリプロール 10.2%
- 化合物の系統
- アントラニリックジアミド系
- 物理化学的性状
- 類白色水和性粘稠懸濁液体
- 有効成分の通称
- サイアジピル®(Cyazypyr®)
本剤は単剤のみならず様々な混合剤も開発しますので、商品名や一般名とは別に、どの剤型や混合剤に含まれていても確認しやすいように、上記通称を名付けました。 - IRACグループ
殺虫剤分類28
●安全性
哺乳類、鳥類、魚類に高い安全性を示します。(普通物*相当)
- ラット経口
- > 5000mg/kg (LD50)
- ラット経皮
- > 5000mg/kg (LD50)
- ウズラ
- > 5000mg/kg(LD50)
- コイ
- > 16mg/ℓ (LC50)
*普通物とは、毒劇物に該当しないものを指していう通称
適用作物に対する安全性(薬害)
これまでの日植防委託試験では適用作物に対する薬害事例はありません。
天敵、有用昆虫への影響
- 天 敵:
- これまでの試験(10.3%OD製剤)ではカブリダニ、テントウムシ、ショクガタマバエ、ハナカメムシに対してほとんど影響が認められていません。
- 訪花昆虫:
- ミツバチにやさしい特性を有しますが、活動中のミツバチへの直接散布は避けてください。また、マメコバチには影響があるので訪花期間中の使用は避けてください。
蚕に対して影響があるので、周辺の桑葉にはかからないようにしてください。
以下の点に留意していただくことで、本剤の特長を最大限に活かすことができます。
●人畜、環境・有用生物への影響
● 普通物相当で人畜や鳥類、魚類への影響が小さく、使用時期や場所の制限が少なく使用できます。
● ミツバチ、マルハナバチへの影響が小さく、直接かからなければ問題ありません。ただし、マメコバチには影響があるので、訪花期間中の使用は避けてください。
● 天敵類には概ね影響が小さいことが確認されており、IPMに適合し、果樹などではハダニやカイガラムシのリサージェンスが無いことも確認されています。(一部10.3%OD製剤での試験事例)
●散布のポイント
● 有効成分が植物体に存在することにより、速やかに摂食・吸汁阻害効果が発揮されます。また、浸透性と残効性に優れるので、早めの散布タイミングを推奨します。
● 浸透性があり、耐雨性にも優れますが、散布ムラの無いように丁寧に処理してください。
●対象害虫による残効期間の差
● 広範囲のスペクトラムを有することを特長とします。製品開発における各種の試験結果から判断すると、吸汁性害虫に対する効果よりもチョウ目害虫に対する残効期間のほうが長い傾向が見られます。
●混植園での散布
● 果樹は収穫前日まで使えるので、収穫時期の異なる複数品種の混植園でもドリフトによる残留の危険性を回避しやすくなります。(苗木での使用を除く)
●混用について
● アルカリ性で分解することがあります。混用対象の薬剤や液肥の性質にはご注意ください。特にpH9以上では急激な分解が起きるのでご注意ください。
●製品の物性について
● 保管中にボトルの中で分離することがありますが、使用前に良く振ればすぐに良好な分散状態に戻りますので心配ありません。
● 人によっては若干の揮発成分の香りを感じることがありますが、人体には影響ありません。
また、お茶の残臭試験でも問題ありませんでした。