チャノコカクモンハマキ
チョウ目 ハマキガ科
Adoxophyes honmai Yasuda
本州(関東以西)、四国、九州、奄美に分布。若齢幼虫は新芽や若葉を緩く綴る。成長すると、1枚の葉を縦に綴ったり、2~3枚の葉を綴り合せて丈夫な巻葉を作り、内部を食害する。多発すると減収し、製茶品質も低下する。
年4~5回発生し、幼虫で越冬する。卵塊は葉裏に産下され、孵化幼虫は直ちに分散する。幼虫は新葉を好むが、発育が進むと巻葉内に生息するため、散布薬液がかかりにくく防除効果も低下する。
このため、孵化幼虫期が薬剤による防除の適期となる。防除時期は、年4回発生地帯では5月中下旬、7月上中旬、8月中下旬、10月上中旬である。しかし、年次変動や地域差もあるため、誘蛾灯やフェロモントラップ等で前世代成虫の発生消長を調査し、適期を把握することが重要である。前世代発蛾最盛日の7~10日後が防除適期となる。
なお、本州(東海以西)から沖縄にかけては、近縁のウスコカクモンハマキA. dubiaが分布するが、茶園では沖縄を除いて多くない。
*本説明内容は2018年9月時のものです
防除に効果的な農薬
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茶チャノコカクモンハマキに対する防除効果
2013年 福岡県農業総合試験場 八女分場
【試験概要】◎品種:おくみどり(22年生) ◎区制:1区7.2㎡ 3反復 ◎発生程度:少発生 ◎処理日:6月25日 ◎処理方法:エクシレル®SE 2000倍、対照B剤 1000倍 ◎調査日:7月9日 ◎調査方法:各区4.8㎡の巻葉数を調査。◎考察:本剤は対照薬剤と比較してほぼ同等の効果を示し、無処理と比較して効果は高く、実用性が高いと考えられる。薬害は認められなかった。
詳しくはエクシレル®SE 製品ページへ
茶チャノコカクモンハマキ成虫に対する効果
【試験概要】2015年 福岡県農業総合試験場八女分場 ◎試験方法:供試薬剤をハンドスプレーでアイスクリームカップとその蓋に計2 ㎖ 噴霧し、自然乾燥させた。また、無農薬園から採取した茶葉を前述の薬液に60秒間浸漬し、風乾後、1カップ当り6枚投入した。なお、成虫の水分補給用として、水道水で湿らせた脱脂綿を入れた。 ◎供試虫:羽化24時間以内の未交尾コカクモンハマキ成虫(雌1頭、雄2頭)を1組/カップとし、30組供試した。 ◎飼育条件:21℃ 15L-9D ◎調査:成虫の生存状況を試験開始2日後、5日後、7日後、10日後に調査した。また、産下した卵塊数、精包の有無を(交尾率)を調査した。
薬剤に接触した成虫には麻痺症状が見られました。
本剤に触れた成虫に対して、交尾阻害、産下卵塊数の低下、生存日数の減少を引起す可能性があります。以上から成虫発生期に散布しても防除効果が得られます。
※チャハマキについても同様の傾向が確認されています。
詳しくはエクシレル®SE 製品ページへ
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茶チャノコカクモンハマキ成虫および産卵に対する影響
平成24年 静岡県茶業研究センター
◎室内試験:感受性系統を供試。プラスチックカップを用いたドライフィルム法と葉片浸漬法を組み合わせて試験。薬液を処理した試験容器を用意し、個体飼育した成虫を雌雄2頭ずつ1カップ中に放虫した後、25℃16L8Dの恒温室に静置した。処理1、3、7、10日後に成虫の生死と産卵された卵塊数を調査した。
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