チャノホソガ
チョウ目 ホソガ科
Caloptilia theivora (Walsingham)
チャノハマキホソガともいう。また、巻葉の形状から、俗にサンカクハマキとも呼ばれる。本州以南の日本各地に分布。三角巻葉内に堆積した糞が、製茶品質を著しく低下させる。年4~7回発生し、蛹で越冬する。
卵は長径0.5mm程度の水滴様で、新芽の裏面に産卵される。幼虫ははじめ葉の表皮下に侵入し潜葉加害するが、3齢になると葉縁に達し、その一部を裏側に折り曲げて加害する。4齢になると葉から脱出し、若葉を三角に巻いて内部から加害し、巻葉内に黒色の糞を蓄積する。老熟幼虫は三角巻葉を脱出し、下方の葉裏等で繭を作って蛹となる。
産卵時期とチャの萌芽~開葉期とが重なると、摘採時に三角巻葉が多くなり、被害が大きくなる。摘採葉への三角巻葉の混入率が重量比で2%を超えると、茶の浸出液が赤くなる。
防除は各茶期の新芽生育期に行う。しかし、新芽にのみ産卵するため、新葉裏を観察して潜葉や卵がない場合は、防除を省くことも可能である。
*本説明内容は2018年9月時のものです
防除に効果的な農薬
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茶チャノホソガに対する防除効果
2012年 鹿児島県農業開発総合センター茶業部 大隅分場
【試験概要】◎品種:やぶきた(35年生)◎区制:1区10.8㎡ 3連制 ◎発生程度:少発生 ◎処理日:5月24日 ◎処理方法:エクシレル®SE 2000倍、対照C剤 2000倍 ◎調査日:6月8日 ◎調査方法:各試験区10.8㎡の巻葉数を計数調査。◎考察:本剤は対照薬剤と比較して同等の効果を示し、無処理と比較して効果は高く、実用性が高いと考えられる。薬害は認められなかった。
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茶チャノホソガに対する効果
処理方法
●卵期、潜葉前期、潜葉後期の薬剤処理
卵 付着した茶葉/潜葉期 若齢幼虫が潜行している茶葉試験管を逆さまにして葉を薬液に5秒間浸漬
●巻葉直接処理
薬液に5秒間浸漬処理後、薬剤無処理の新芽と並置
●成虫期の薬剤処理
葉片を水差ししたものを10個準備、これらを薬液に5秒間浸漬し、風乾後に採卵用台座に固定
薬剤処理時期
卵期:産卵1日後、 潜葉前期:産卵4日後
潜葉後期:産卵6日後、 葉緑巻葉期:産卵8日後
供試虫数
●卵・潜葉期・葉緑巻葉期:各区17~40個体
●成虫期:未交尾の雌雄成虫の約60~80個体
調査日と調査方法
●卵期:処理3日後のふ化、および処理7日後の葉緑巻葉の有無
●潜葉前期:処理4日後の葉緑巻葉、および処理9日後の三角巻葉の有無
●潜葉後期:処理2日後の葉緑巻葉、および処理7日後の三角巻葉の有無
●葉緑巻葉期:処理5日後の三角巻葉、および処理12日後の蛹化の有無
●成虫期:処理2 、4日後の生存状況と産下した卵数
「引用文献:上室(2020)鹿児島農総セ研報 14:29-76」
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茶チャノミドリヒメヨコバイ・チャノホソガに対する効果
試験概要 2021年鹿児島県霧島市
◎品種:やぶきた ◎区制:3区制 展示区10a 対照区10a ◎処理日:5月22日(二番茶芽 萌芽~1葉期) ◎処理方法:乗用型防除機 200ℓ/10a ◎調査日:6月2日 ◎調査方法:①チャノミドリヒメヨコバイ 散布11日後に任意の3カ所について新芽100芽を確認し、被害芽を調査した。被害は、葉脈の褐変や葉の黄化、変形等の有無により判定した。 ②チャノホソガ 散布11日後に発生程度に応じた適当な調査範囲において各区の三角巻葉数を計数し、1㎡あたりの三角巻葉数を算出した。
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