マメハモグリバエ
ハエ目 ハモグリバエ科
Liriomyza trifolii (Burgess) Serpentine leafminer
成虫
食害
【加害作物】ナス科、ウリ科をはじめとする広範な作物
葉に潜り込んで食害し、白い線状の跡を残す害虫は、「絵描き虫」と呼ばれている。「絵描き虫」には、蛾の仲間、甲虫の仲間もいるが、最も多いのはハモグリバエ類である。葉の中に潜っているのは幼虫で、小さなウジである。
また成虫は産卵管で葉の表面を傷つけ産卵する。この行動は産卵だけではなく、その傷からしみ出る汁の摂食もしている。そのため沢山の白い斑点を残す。
マメハモグリバエは多くの農薬に抵抗性を持っており、対応を誤ると、葉がすべて落ちてしまうほどの被害をもたらす。本種は1990年に初めて確認され、全国に広がり、名前と異なり多様な作物で重要害虫となった。しかし、後述のトマトハモグリバエの侵入後、これに取って代わられつつあり、最近ではなかなかお目にかからない。
*本説明内容は2018年9月時のものです
害虫防除のヒント
マメハモグリバエの被害と防除について
被害作物について
日本への侵入当初はマメ科作物の害虫として知られていましたが、実際には非常に多くの作物を加害し、特にキク科作物のキクやガーベラ、ナス科作物のトマトなどでの被害が知られています。
発生・生態について
成虫が圃場内に侵入したり、寄生株が持ち込まれたりすることで発生します。春〜秋にかけて多く、施設栽培では周年発生します。25℃下で一世代期間は約16日間となります。幼虫が葉肉内部を食い進み、食害痕が白い線状になるのに対し、成虫は葉の表面に傷をつけて吸汁し、白い斑点の痕が残ります。
農薬、天敵による防除
マメハモグリバエの発生や被害を確認した際は、薬剤による化学的防除を行います。寄主範囲が広いので、各作物に登録のある農薬を選んで散布します。また天敵としてハモグリミドリヒメコバチが有名です。天敵製剤としての販売もありますので化学農薬などとうまく組み合わせて防除しましょう。
ベリマーク®SCは、育苗期後半~定植当日の灌注処理で素早く根から吸収され、ハモグリバエ類から生育初期の作物を守ります。
また、ベネビア®ODは、生育期の散布処理で葉のすみずみまで浸達し、ハモグリバエ類に対する高い効果を素早く発揮します。
プリロッソ®粒剤オメガは、育苗期後半~定植時の株元散布で、薬剤のかかりにくい葉裏に潜むハモグリバエ類にも、高い効果を発揮します。
プレバソン®フロアブル5は、高い浸透性と移行性を有しており、作物のすみずみまで成分が行きわたり、ハモグリバエ類の食害を防ぎます。食害を防ぐためには予防的散布で利用して頂くことがおすすめです。
ベリマーク®SC、ベネビア®OD、プリロッソ®粒剤オメガ、プレバソン®フロアブル5は、いずれも天敵にやさしい農薬です。
防除におすすめの製品
*各製品のリンク先で登録内容を確認してご使用ください