トマトハモグリバエ
ハエ目 ハモグリバエ科
Liriomyza sativae Blanchard Tomato leafminer
蛹
メロンの被害
【加害作物】ナス科、ウリ科をはじめとする広範な作物
1999年に初めて確認された侵入害虫である。同じ侵入害虫のマメハモグリバエと同様、本種も加害作物が広範である。
しかしこれら2種の好物はやや異なる。例えば、本種はウリ科が大好物である。一方マメハモグリバエは、ウリ科では、生育初期以外に問題になることはない。また、本種は菊には殆ど寄生しない。一方、マメハモグリバエは好物である。
これら2種と後述のナスハモグリバエは、成虫・蛹に形態的な違いがあるものの、非常に小さい虫であるので、圃場にて肉眼で区別することは困難である。多くの農薬に対する抵抗性を持っており、効果のある薬剤は限られる。
*本説明内容は2018年9月時のものです
害虫防除のヒント
トマトハモグリバエの防除について
被害作物について
ウリ科、ナス科、マメ科、キク科およびアブラナ科作物など、非常に多くの作物に寄生します。特にキュウリ、メロン、トマトなどでの被害がよく知られています。
発生の様子
飛来による侵入や寄生苗の持ち込みなどから発生し、葉内部に卵を産んで増えます。年間でおよそ10世代ほど経過し、特に秋が主な発生時期となります。施設内などでは通年発生しており、ほかのハモグリバエ類と生態・特徴が似ているため区別するのは困難となります。
農薬による防除
薬剤抵抗性の発達が確認されているので、効果を試しながら作用性が異なる複数の農薬を用いましょう。また寄生蜂による生物的防除も有効です。うまく組み合わせて防除しましょう。
ベリマーク®SCは、育苗期後半~定植当日の灌注処理で素早く根から吸収され、ハモグリバエ類から生育初期の作物を守ります。
また、ベネビア®ODは、生育期の散布処理で葉のすみずみまで浸達し、ハモグリバエ類に対する高い効果を素早く発揮します。
プリロッソ®粒剤オメガは、育苗期後半~定植時の株元散布で、薬剤のかかりにくい葉裏に潜むハモグリバエ類にも、高い効果を発揮します。
プレバソン®フロアブル5は、高い浸透性と移行性を有しており、作物のすみずみまで成分が行きわたり、ハモグリバエ類の食害を防ぎます。食害を防ぐためには予防的散布で利用して頂くことがおすすめです。
ベリマーク®SC、ベネビア®OD、プリロッソ®粒剤オメガ、プレバソン®フロアブル5は、いずれも天敵にやさしい農薬です。
防除に効果的な農薬
●ベネビア®OD

1剤でコナジラミ類、アザミウマ類、アブラムシ類、チョウ目害虫、ハモグリバエに効果。
トマトトマトハモグリバエに対する防除効果

2009年 (一社)日本植物防疫協会研究所
【試験概要】◎品種:桃太郎T90 ◎播種:2月 ◎区制:1区 6.3㎡ 14株 3連制 ◎定植:4月23日 ◎発生程度:中→多発生(放虫)◎処理日:6月11日 ◎処理方法:供試薬剤を所定の希釈倍数で希釈し、265ℓ10aの割合で葉の表裏が十分濡れるように背負式全自動噴霧器を用いて散布。◎調査方法:各区中央付近の10株について、株当たり1複葉にマークし、マーク葉およびその上位2複葉についてマイン数を程度別(小マイン:せん孔が3cm未満、中マイン:せん孔が3cm以上蛹化脱出前、大マイン:蛹化脱出後)に調査。◎考察:本剤は対照薬剤と比較し、優る高い防除効果が認められ、実用性は高いと考えられる。薬害は認められなかった。
詳しくはベネビア®OD 製品ページへ
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