Aleurocanthus camelliae (Kanmiya & Kasai)
2004年に近畿地方で初確認されたわが国初のチャの侵入害虫。2011年に、カンキツ等を加害するミカントゲコナジラミとは異なる別種として新種記載された。2018年現在では、沖縄を除く茶産地に広く分布し、わが国の主要チャ害虫の1種に挙げられるようになった。
幼虫が葉裏に寄生し、吸汁加害する。幼虫は光沢のある黒色で、周囲に白色のロウ物質を持ち、背面と周囲には多数の刺毛がある。幼虫が多量の甘露を分泌し、これがすす病を誘発、著しい場合は茶園が真っ黒になる。成虫は体長0.9~1.3㎜程で、体は橙黄色、前翅は紫褐色で不整形の白紋を持つ。成虫は新芽に群棲し吸汁加害するとともに、茶園を漂う多数の成虫が作業者の目や鼻等に入るため、摘採等の農作業を困難にさせる。
防除にあたっては、茶園における発生消長を調査し、次世代の若齢幼虫を対象とした薬剤散布をするか、越冬期に気門封鎖系資材を散布する。また、天敵寄生蜂シルベストリコバチの保護・利用も有効である。
*本説明内容は2018年9月時のものです