コミカンアブラムシ
カメムシ目 アブラムシ科
Toxoptera aurantii (Boyer de Fonscolombe)
本州以南の日本各地に分布。幼・成虫が茶芽や新葉に寄生し、吸汁加害する。多くの寄生を受けた葉は内側に巻き、芽伸びが悪くなることもある。また排泄物がすす病を誘発し、黒化した芽や葉の混入が製茶品質を低下させる。越冬虫が4月頃より盛んに増殖するため、一番茶の重要害虫となっている。被覆園や風通しが悪い園で発生が多い。
増殖は卵胎生の単為生殖で、雌成虫には有翅虫と無翅虫がある。有翅雌は好適な新葉を求めて分散するが、無翅雌は移動しない。発生源となる有翅雌は次々飛来するため、無翅雌が散見されるようになってからの防除が効率的である。
特に、芽が小さいうちに寄生が見られる場合は、早めに防除する。二番茶以降は、他種害虫の防除で同時に防除されていることが多い。年に10回以上発生し、一般に卵越冬すると言われている。しかし、静岡以西の茶園では胎生雌虫のまま越冬することが知られる。
*本説明内容は2018年9月時のものです