ダニ目の特徴と効果的な防除方法
落葉果樹・かんきつ類に被害を及ぼす主要害虫の特徴と、効果的な防除情報をご紹介します。
ミカンハダニ
卵~成虫のコロニー
被害葉
【加害作物】かんきつ、なし、ももなど
かんきつでは年間を通じて葉で見られる。6~7月に急増するが8月以降は減少する。10~11月に再び増加する。越冬態は雌成虫。秋季に発生した成虫が葉で越冬する。体色は暗赤色。葉表と葉裏に寄生するが、秋季は多発生すると果実にも発生する。
葉の被害症状は、少発生時は小さい白斑が部分的に生じるが、その後の発生に伴い全面に拡大する。多発生になると葉全体が退色して黄変したり、部分的に枯れることもある。果実の被害は、果面が退色して黄色くなり艶も消失して商品性が低下する。
*本説明内容は2018年9月時のものです
ミカンサビダニ
ダニ目 フシダニ科
Aculops pelekassi
成虫、幼虫のコロニー
被害果実(温州みかん)
被害果実(レモン)
【加害作物】かんきつ
かんきつでは、年間を通じて葉で見られる。7月までは新芽や葉での発生が多いが、7月以降は果実での発生が多くなる。越冬態は成虫。秋に発生した成虫が葉で越冬する。
体長は約1.6mmと小さく、肉眼で見極めることが難しいので初期発生を見逃すことが多い。
新芽に寄生すると暗褐色になり、奇形になったり萎縮する。時に落葉する。果実に寄生すると油胞がつぶれ、果皮は灰褐色から茶褐色になりサメ肌状になる。
*本説明内容は2018年9月時のものです
リンゴハダニ
【加害作物】りんご
りんごには、4月の発芽後から10月の落葉前まで多種類のハダニが発生する。季節や地域、栽培型により主要種が異なる。
リンゴハダニはりんごの主要種であるが、寒冷地に多い。リンゴハダニの越冬態は卵。秋に発生した成虫が小枝の各部に産卵し、そのまま越冬する。
成虫の体色は赤色で、りんごに発生するカンザワハダニやオウトウハダニと似ている。一般には7~8月に多発生する。初発生時は葉裏に多いが、葉表にも発生する。新葉での被害症状は、初発生時は葉表には多数の小白点が生じる。
発生が増加すると葉色は退色したり、葉裏は全面茶褐色になる。多発生は、秋季の早期 落葉の原因になる。
*本説明内容は2018年9月時のものです
ナミハダニ
ダニ目 ハダニ科
Tetranychus urticae
【加害作物】なし、おうとう、もも、りんご、茶など
なしでは4月の発芽後から10月の落葉前まで多種類のハダニが発生する。季節や地域、栽培型により主要種が異なる。ナミハダニの越冬態は成虫。樹皮下やなし園の下草などで休眠状態で越冬する。6月から7月に掛けて急増する。8月には一時減少するが9月から再び増加する。
新葉での被害症状は、初発生時は葉表には多数の小白点が生じ、さらに発生が多くなると葉色は退色し、奇形葉になることもある。展葉後の硬化した葉では葉表には白斑は現れないが、多発生時には全体退色し葉裏は茶褐色になる。
梅雨明けから盛夏時に多発生すると、高温と直射により葉焼けになり果実の肥大や品質に影響する。秋の多発生は早期落葉の原因になる。
*本説明内容は2018年9月時のものです
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