※以下のコンテンツはIRACの殺虫剤抵抗性管理の紹介動画を基に制作しています。 殺虫剤抵抗性とは? こちらは農業を営む加藤さんです。 この仕事が大好きな加藤さんは自分の作物を誇りにしています。害虫を寄せ付けず、作物を守るためにある殺虫剤を使い続けましたが特に問題が起きたことはありませんでした。 ところが今年は心配なことに作物の被害が止まらず殺虫剤を撒いてもあまり効果がありません。このままでは全く収穫できなくなってしまいます。加藤さんにはなぜ、今まで効果があった殺虫剤が効かなくなってしまったのか、分かりません。 
殺虫剤が効かなくなるのは、害虫がその殺虫剤に対する抵抗性を獲得するためです。 害虫の個体群には遺伝子の変異があり一部の虫は殺虫剤が効かなくなる遺伝子変異を持っています。そのため同じ殺虫剤を使い続けると生まれつき抵抗性を持った害虫だけが生き残ることになります。 抵抗性を持った害虫は、繁殖して抵抗性を引き継ぎます。時間が経つとこの淘汰の結果、畑が抵抗性を持った害虫だけになり、殺虫剤が効かなくなります。幸い、殺虫剤には異なる作用で効く色々な種類があります。これらの殺虫剤は異なる効き方で害虫を防除するのです。 
抵抗性害虫を防除する方法 色々な作用の殺虫剤があるのは良いのですが、どうすれば抵抗性問題を繰り返さず新たな抵抗性害虫の出現を防ぐことができるのでしょう? 研究者の調査によると殺虫剤を撒く時に、異なる作用を持つものを順番に栽培機器を通じて使用すると、害虫の発生を抑制することができ、その害虫が抵抗性となるリスクを大幅に減らすことができます。 
加藤さんが必要とする作用の違いに関する情報は殺虫剤のボトルに記載され、Webサイトや小売店からも入手できます。殺虫剤の中で番号が同じものは作用も同じか似ているので、薬剤を選ぶ時には番号の異なる製品を選ぶ必要があります。 
異なる番号の殺虫剤を順番に使うというのが重要です。さらに総合的な方法で抵抗性を防ぐために、害虫のモニタリングや作物のローテーション、土壌の耕起、天敵生物といった化学農薬を使わない手段を組み合わせます。 
害虫問題の持続可能な解決策 加藤さんはほっとしています。 殺虫剤を順番に投入して異なる作用を利用し、総合的に害虫を管理することで、害虫問題の解決を持続可能な方法で実現できました。おかげで防除コストは下がり収穫量が増加し、作物の品質が向上しました。 加藤さんは殺虫剤をそれほど頻繁に撒く必要がないことに気づき、家族と過ごす時間も増えました。 
加藤さんのような農家だけが殺虫剤抵抗性に困っているわけではありません。 都市部でも、蚊が抵抗性を獲得することがあります。その場合マラリアが伝染し、公衆衛生に大きな影響を及ぼします。IRACはあらゆる場所で抵抗性問題と戦っています。 皆さんが殺虫剤抵抗性とIRACの活動に関する情報をご希望の場合はIRACのウェブサイトをご覧ください。 
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