ベネビア®ODユーザー証言ファイル
長野県塩尻市
JA洗馬 経済部 生産販売課
武田 勲さん
JA洗馬で営農指導を担当。管内ではレタスをはじめ、キャベツ、はくさい、ブロッコリー、とうもろこしなどを生産。レタスは結球・非結球あわせて延べ約300haを作付し、高品質な高原レタスとして高く評価されている。

浸達性が高いから、葉の中(結球内部)に潜り込んだオオタバコガまで防除できる。シャープな効きめでほとんどの主要害虫をカバーできるから、ローテーションの要。
高品質なレタス作りには、品種、施肥、圃場、資材、灌水等、多くの留意点への対応が重要。
岩垂原地区の水栓。随所に設置されており干ばつ期の灌水を支えている北アルプスの東に位置する標高700mのレタス産地、JA洗馬管内。早くから真空予冷庫やコールドチェーンの導入に取り組み、質、量ともに日本を代表する産地のひとつとして知られています。
JA洗馬管内で栽培される春レタスの品種はビクトリア、サングロー、エスコートなど、夏秋レタスではタフV、ファンファーレ、シナノホープなどがメイン。レタス栽培のポイントについて、営農指導を担当されているJA洗馬の武田さんに伺いました。
「高品質なレタスをつくるためには、品種構成、施肥設計、圃場選択、マルチ資材選択、薬剤ローテーション、気象に応じた灌水など、結構多くの留意点があります。春レタスは2月から、夏秋レタスは7月からが定植。低温期から高温期まで幅広い条件の中での栽培になります。それにあわせて、例えばマルチ選択では、そのときの気温に応じて黒、シルバー、白黒といった種類の使い分けが必要です」と武田さん。
また、「圃場が集積する岩垂原地区では10aに1つずつ水栓を設置していて、干ばつ期の灌水を柔軟に行える体制を整えています」とおっしゃいます。
結球始期~中期にベネビア®ODの散布を指導。
浸達性がとても高いので、葉の中(結球内部)に潜り込んだオオタバコガまで防除できる
JA洗馬管内の夏秋レタスは、7月上旬から8月中下旬に播種し、7月下旬から9月上旬に定植、8月下旬から10月中下旬に収穫を迎えます。
「結球内部を食害するオオタバコガの防除が大変重要」と武田さん。
「最近、気候変動に伴って、害虫の発生状況がどんどん変わるので、色々な試行錯誤を重ねて薬剤ローテーションを決めています」。
現在は、定植後5回程度、本圃でのローテーション防除を指導。ローテーションの最後から2番目に当たる結球始期~中期のタイミングで、ベネビア®ODの散布をすすめていらっしゃいます。
「ベネビア®ODは浸達性がとても高い。多少葉の中(結球内部)に潜り込んでしまったオオタバコガも防除できますね」と武田さん。「結球前の予防が基本ですが、こういったシャープな効き目の薬剤は、ローテーションの要になりますね」。
ほとんどの主要害虫をカバーできるから、防除回数が減らせる。登録作物が多く、収穫前日まで使えるのも、複合作物経営には大きな魅力
管内では近年とみに、レタスをメインにとうもろこしなどとの複合経営が増加しているというまた、「毎年のように異常気象に見舞われているので、圃場の環境も変化し続けていて、どんな害虫が出てくるのか分かりかねる部分が増えているのが実情。ベネビア®ODなら、オオタバコガ以外もほとんどの主要害虫をカバーできるので、今の時代のニーズに合っている」と武田さん。
「結果的に、適用害虫の幅が狭い他剤の代替的な役割を果たすので、以前と比べて本圃での防除回数が、1~2回は減らせてますね」。
また、「夏の高温期の散布は薬害も心配になりますが、ベネビア®ODはそのような時期に他剤を混用して使っても、今まで薬害が出たことがない」と武田さん。
近年JA管内では、レタスと他の作物を組み合わせた複合経営の生産者が増加しているとのこと。
「玉のレタスに加えて、非結球レタス、キャベツ、はくさい、(未成熟)とうもろこしなどを組み合わせる方が多いですね。そういった生産者にとっては、レタス以外にもキャベツや(未成熟)とうもろこしにも登録があり、かつ、収穫前日まで使えるという意味でも、ベネビア®ODは大変重宝。隣接する作物への考慮がしやすい、というのは大きな魅力です」。
「作物の品質、収量を高める。コストや労力を低減する。両方の実現をサポートして、生産者の所得を向上させるのがJAの責務」と言いきる武田さん。澄んだ眼差しが印象的でした。
※コメントは取材当時の個人の感想です。
本内容は2024年6月取材時のものです。